30代でゲイでHIVで

まずは自分の記録のため、いつかは人の役にたてると良いなと思います。

診断書の受け取り 驚きの結果 その2

HIV陽性者は免疫機能障害という内部障害ということで、身体障がい者手帳の申請をすることができる。その目的は高額な治療費に対する自己負担を軽減するための、自立支援医療(更生医療)の適用を受けるためである。

 

免疫機能障害に関する身体障がい者手帳のランクは症状の重いほうから1級~4級の4段階ある。どの級だとしても更生医療の適用を受けることができるが、3級以上であるとほかにも受けられる公的サービスが増えるのだという。

さらに2級以上であればより増えるようだが、実際のところエイズを発症し、日常生活が困難であるような状況でなければ2級以上ということはないそうだ。

僕の場合は幸いエイズは発症していない。ただし、CD4の値の低さからすると、3級の可能性もあるのだという。

 

いずれにしても、4週以上間隔を開けて、CD4とHIVウィルス量をはじめとする各種検査の2回の数値を医師が作成する診断書(意見書)に記載してもらわなければ障がい者手帳の申請ができない。

また自治体によって、申請から更生医療の適用までの期間に差があり、手続きに時間のかかる自治体もあるようだ。自分の暮らす自治体もそれなりに時間がかかるようであり、障がい者手帳と更生医療の両方の申請を同時に行うが、障がい者手帳が交付されてから更生医療の判定を行う方式らしく、1か月半以上はかかってしまう見込のようだ。

これは私の判断で始めたことだが、すでに2回目の検査の日の翌日から抗HIV薬による服薬治療を開始してしまっている。制度は手帳の交付日より前の治療費に関しては適用されないらしく、手帳交付に時間がかかれば自己負担は増えていく一方であるため、なんとか早く申請をしたいところであった。

 

とはいえHIVウィルス量は検査当日には分からないらしく、2回目の検査日に、障がい者手帳申請用の診断書・意見書と、更生医療申請用の意見書のそれぞれの作成依頼だけし、できた時点で電話連絡をもらうことになっていた。

なお連絡をもらったのは12日後なので約2週間かかった。

 

電話を受けたのは平日の正午頃だったが、たまたま仕事を休みにしていた日だったので、その日の午後に病院に向かい夕方には受け取った。

もちろんそれぞれの意見書の文書作成には費用がかかる。障がい者手帳用の意見書が4,000円、更生医療用の意見書が3,000円、消費税700円が加わって7,700円の支払いだ。このように地味に費用は嵩んでいく。お金は大事である。

 

そしてとにかく2回のCD4とHIVウィルス量が気になっていたので、文書を受け取るなり、病院のロビーのソファで内容を確認した。

ハルトが「何かが効いて、2回目にちょっと良くなったりしてたらいいなぁ。」と言い、「基本的には悪くなっていくものだからねー」と返した会話が思い出された。その日の朝もハルトは2回目の数値をすごく気にしてくれていた。

 

CD4

1回目 71μl ⇒ 2回目 129μl (平均100μl)

HIV-RNA

1回目 37,700copy/ml ⇒ 2回目 18,300copy/ml

 

なんと1回目に比べて4週間後の免疫を表すCD4値は上昇していて、

CD4を減らす働きのあるHIVウィルス量は減っていたのである。

もちろんこの間は一切治療を行っていない。

CD4についてはその日の体調などによって変わるし、上がったり下がったりを繰り返すものだとは聞いていた。

またウィルス量についても、CD4との攻防戦が繰り広げられているため、こちらも変化があるのかもしれない。

とはいえ、この4週間の過ごし方は悪くなかったということなのかもしれない。

 

違いはといえば、梅毒治療のための抗生物質を飲んでいたこと。梅毒の菌が死滅すればそれだけ体への負担は減るということもあるのだろうか?

また自分自身の免疫が低いということを強く意識し、疲れやストレスをためないように心掛けたり、アルコールを控えたり、腸内環境を良くするためにビオフェルミンやヨーグルト飲料を飲んだり、お風呂にゆっくり浸かったり、生魚・生肉を食べるのを控えたり・・・ とにかく何となく体調が良いと感じていたのは気のせいではなかったようだと思うことにした。

気分よく健康的に過ごすことがいかに大切か、それは今後、CD4を回復させていく過程においても大切なことなのではないかと思った。