30代でゲイでHIVで

まずは自分の記録のため、いつかは人の役にたてると良いなと思います。

元カレへの告知

家までの帰り道、様々なタスクが頭によぎったが、

一番大きなことはハルトに伝えること。

 

ハルトとは翌日会う約束をしていた。遅い時間ではあったが、1日前倒しして今日会って伝えることもできる。
でも自分自身の頭が整理できていない段階で話すべきではないと思ったのと、これはとてもズルい話なのだけど、もう少しだけ陽性者でない自分とハルトの関係を続けたいと思ったのだ。だってハルトに告知をしたら、二度と会えなくなるかもしれない。悲しいけどその覚悟がすでにできていた。
ハルトのことはひとまず後で考えよう。

 

次に考えたことはハルトの前に付き合っていた元彼のこと。タイミング的に少なくとも元彼に出会う前に自分は感染している。つまり付き合っていた期間元彼は危険にさらされていたことになる。挿入を伴うセックスでは全てコンドームを使用していた。でも他にも感染の可能性はいくらでもあった。

別れてから一度も連絡をとっていない。今は会えない距離に住んでいるが、意を決して連絡をした。LINEが既読にならない。ブロックをしているのかもしれない。共通の友人に大切な話があるので、一時的にで良いので連絡をとりたいと伝えてほしいとお願いしたところ、しばらくすると、別の連絡手段でメッセージがきた。

正直に話をした。ただしハルトことには触れていない。話をややこしくしたくなかったし、余計な話をやりとりする余裕もなかったから。

 

とにかくHIVと梅毒の検査をしてほしい。と、お願いをした。

ちなみに彼は僕と付き合っていた最後の方に、検査を受けていたらしく、いずれも陰性だったという。丁寧にその証明も見せてくれた。

 

そうか・・・彼から感染したという可能性もあったのか。でもそれはなさそうである。

 

とはいえHIVは最後の接触から3ヵ月が経つまでは陽性反応が出ない可能性があるため、改めて検査をお願いした。

申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、元彼は 「誰が悪いわけでもない。セックスをしている人なら誰でもリスクがあるから、謝らなくて良い。とにかくこれから自分の健康を最優先にして。」と励ましてくれた。

元彼はさらに近況報告をし合う話をしかかったけど、とてもそういう気分ではなかったのと、優しい言葉が逆に辛い気持ちにさせられていく感じがしたため、大変勝手なことだけれども、検査の無事を祈っています。とこちらから終えてしまった。

どこか暗澹たる気持ちにはなったけど、ひとまず言うべき人に言えたということで、翌日の仕事に備えてベッドに横になった。

 

もちろん寝付けなかった。