30代でゲイでHIVで

まずは自分の記録のため、いつかは人の役にたてると良いなと思います。

病気と治療の基礎知識

HIVや梅毒に関する情報はインターネットにたくさん載っている

僕の場合はたまたま話を聞かせてくれる当事者が2人もいて

基礎知識はある程度得られたと思う。

ハルト自身も色々と調べていてくれたらしく、ハルトから教えてもらったこともある。

 

で、まとめるとこういうことなのだろう。

 

HIVウィルスは感染してから体内のリンパ球に次々と感染してウィルス量を増やしていく。

体には外敵から体を守る免疫の役割を果たすCD4陽性T細胞というのがある。

HIVウィルスはCD4陽性T細胞を次々と破壊していくが、一定期間は負けじとCD4を作り出して拮抗する。(この期間がHIV感染からエイズ発症までの潜伏期間と言われ、短い人で6ヶ月、10年以上という人もいる。7〜10年くらいという人が多いという)

しかし次第にウィルス量が増える速度に勝てなくなり、CD4は少なくなり、ウィルス量の増加は加速する。

CD4が少なくなると、体の免疫機能が低下して、さまざまな菌から体を守ることができなくなり、通常ではかからないさまざまな病気や症状を発症するようになる。

さまざまな菌は吸い込む空気や口にする食べ物にもあるし、ヘルペスのようにもともと体の中にあるものもあるそうだ。

さまざまな症状が出始めると、エイズを発症したことになる。

 

現在ではHIVウィルス量を減らす内服薬がある。3〜4種類の薬を1錠にまとめた薬を1日1回服用することでウィルス量を検出できない量にまで減少させることができる。

ウィルス量を減らすことができれば、再びCD4は増加し、免疫機能が正常に戻る。

 

ただし服薬をやめると再びHIVウィルスは増加する。しかも服薬をやめた体の状態のときにはウィルスを耐薬性に変異させてしまい、再び服薬を開始しても効かなくなってしまうため、一度服薬治療をはじめると 飲み忘れは厳禁なのだ。

 

そしてこの抗HIV薬は非常に高価で、保険適用の3割負担でも1日2000円ほどになる。毎日なので1ヶ月6万円。そこに定期的な受診が加わるので経済的負担が大きく、経済的理由で治療を断念する人が出る恐れがあるため、一定の条件(ウィルス量やCD4の値など)を満たした陽性者は身体障害者手帳を申請することができ、自立支援医療制度を使い、自己負担額の上限以上を負担してもらえるのだそう。

なおこの身体障害者手帳自立支援医療制度の申請にかかわる手続きのために、すぐに服薬治療を開始できないのが日本の制度上の課題なのだという。(もちろんこの制度を使わないのであればすぐに治療を開始することも可能)

 

なお抗HIV薬に重い副作用を示す人もいるそうだ。そのために複数の薬の種類があるそうだ。また薬の処方と状態の確認のため、症状が安定してからは3ヶ月に1回程度通院し、HIVウィルス量と、CD4の数値をモニタリングしていく必要がある。

 

なおHIVウィルス量の検出限界について日本では

20コピー/mL未満

を目標としていることが多いそうだ。なお国際的には200コピー/mL未満の状態が検出限界値未満であるとされているそうだ。

ちなみに U=U(Undetectable=Untransmittable)というメッセージがある。

「Undetectable:検出限界値未満」のHIV陽性者は他の人に性行為を通じてHIV感染させることは一切ない「Untransmittable:HIV感染しない」

このことを事前に当事者となった友人から聞いていたので今回感染が分かった時も、絶望せずに冷静に受け止められたように思う。

 

またCD4の値について、正常であれば700〜1300個/μlくらいの値であるそうだ。

HIV陽性者で値が落ちはじめた目安となるのが500個/μl

エイズ発症に危険性が増すのが200個/μlを下回ったときだという。

 

自分のCD4はいくつあるのだろうか?

全く自覚症状はないので潜伏期間なんだろうなー と思っていた。

 

また梅毒もペニシリンの投与で完治するため、何も問題ない と思っていた。