30代でゲイでHIVで

まずは自分の記録のため、いつかは人の役にたてると良いなと思います。

HIV陽性者の孤独と恐怖と社会的責任~検査陽性告知の帰り道~

HIV検査陽性告知を受け、保健所を出てからの帰り道、

 

ハルトのことを心配する気持ちはありつつ、次に押し寄せてきたのはとてつもない孤独でした。

孤独というか、誰にも言えない秘密を抱えてしまったとの思いに押しつぶされそうになりました。

これまで、あまり隠し事をすることはなかったし、ゲイであることも、聞かれたら答えていたくらいで、家族の一部は知っているし、職場で親しい人や学生時代の友人、昔付き合っていた彼女など、今でもプライベートで付き合いのある人にはほとんどオープンである。

しかしHIV陽性であるということについては話が違う。自分自身はたまたま友人に当事者がいたため知識があっただけで、その友人の話を聞くまでは知識がなかった。知識がない人がいるということは、誤解に基づく偏見の目にさらされるということ。

ましてそれが家族ならば、必要以上に心配をさせて、悲しませてしまう。

 

誰かに聞いてほしいけど、言って良いのか分からないという孤独。

誰かに知られてしまった後、偏見の目にさらされるのではないか、怖がられ、あるいは悲しませる人を生んでしまうという恐怖。

 

また、いつから感染していたんだろうかということも心配になった。

ハルトと出会う前に付き合っていた彼氏がいた。

その前にセックスをした人には誰がいたか・・・。

ずいぶん前に付き合っていたあの時の彼氏と付き合っている時にはすでに感染していたんだろうか・・・。

 

自分はいつかの誰かとセックスをしたときに感染をしたのだろうけれど、そのあとセックスした相手には感染をさせる側でいたということの責任の重大さにもまた押しつぶされそうな気持ちでいた。伝えなければ・・・。誰に? 伝えた後の反応も怖い・・・。

 

このまま真っすぐ家に帰るのはあまりにも気が重く、誰かに聞いてもらいたかったので、近所に住む最も信頼を置いている友人カップルに連絡をし、そのまま家にお邪魔し、話を聞いてもらうことにした。