30代でゲイでHIVで

まずは自分の記録のため、いつかは人の役にたてると良いなと思います。

ビクタルビ服薬開始

2回目受診の翌日から抗HIV薬である、ビクタルビ配合錠の服用を開始した。

毎日決まった時間に1錠飲むだけ。時間を決めれば朝でも夜でも関係ないという。

食事の影響を受けないので、食前食後空腹時いつでも構わないという。

なお時間を決めるとはいうものの、前後2時間の誤差は構わないという。

一番怖いのは飲み忘れること。

血液中の薬の濃度を一定以上に保っておかないと、ウィルスが薬耐性をつけてしまい、同系統の薬が効かない体になってしまうからだという。

もし飲み忘れたことに気づいたら、その時点で次の服薬までの時間が12時間以上空いているようであれば1錠飲む。そうでなければ1回パスする。

絶対にやってはいけないのは、一回に2錠飲むこと。

 

といった説明を薬剤師から受けた。ずいぶん強く脅すようなことを言いますが、薬も改良されているので、極度に怖がることはないですが、100%服薬を目指しましょう。そのために、ピルケースやスマホのアプリなどを活用しましょう。ということであった。

 

そして副作用が強く出てしまう人もいるという。友人のリー君も同じくビクタルビを服用しているらしいが、服薬開始後1か月は副作用による吐き気とめまいがひどかったという。10-15%の人にその症状でるというので少し覚悟はしていた。

 

ひとまず僕の場合は朝8時を基準の時間とした。前後2時間は6時~10時 平日仕事がある日でも、休日ゆっくりしている日でも大丈夫な時間帯ではないかと思う。

とにかく飲み忘れをしないように色々工夫を考えたいと思う。

 

なお処方の方法として、紙の袋に1錠ずついれることもできるし、ボトルで出すこともできる。ただし今後安定すれば90日分とかになるので、かさばるからボトルがオススメと言われたのでそうすることにした。

 

ボトル一本30錠 薬価約20万円! 高価な薬だということを肝に銘じて大切に服薬ルールを守っていきたいと思う。

 

なおこのビクタルビ配合錠は、3種類の薬を混合で使う、多剤療法というものらしい。HIVウィルスが増殖する仕組みとしては、HIVウィルスがCD4に寄生し、CD4から発芽し増殖していくというが、ビクタルビに含まれる3種類の薬は、CD4に吸着し融合したあとにおきる、DNAの逆転写という現象を阻害する2種類の成分とDNA合成されたあとの核内での組込みという現象を阻害する1種類の成分なのだという。

CD4に吸着はさせてしまうのだが、そこから増殖できないので、CD4が死滅すると同時にHIVウィルスも死んでいくので、いずれHIVウィルス自体が少なくなっていくという。

ただし、生まれ変わっていかずに長く生きるCD4もあるらしく、薬の濃度が下がってしまうのと、そこからまたウィルスが吐き出されてしまうので、常に3種類の薬で押さえ続けなければいけないという仕組みなのだそう。

 

ただし、薬剤師からは海外では月に1度の注射だけで内服しなくていい方法なども研究されているし、今後数年で今の方式から大きく変わる可能性もあるので、期待して待ちましょう。という話をしていただいた。

 

改めて、世界中の研究者の方に感謝したいと思う。

2度目の受診 抗HIV薬の処方

長いようであっという間に初回受診から4週間が経った。

この間、新型コロナ陽性者の濃厚接触者となり、1週間の自宅待機という少しヒヤリとすることがあったり、梅毒治療のために服用していたペニシリン系の抗生物質のアモキシシリンのアレルギー皮疹が出たりとヒヤっとする出来事はあったものの、ハルトと旅行に行ったり楽しく過ごした。

とはいえ、免疫が弱い体であるということは意識し、

生魚・生肉・生野菜を食べないようにした。

またお酒は以前に比べればぐっと控えた。微アル飲料なるものを試したりもした。

また腸内環境を良くするために、ビオフェルミンを3錠3食後に真面目に飲んだ。毎日腸まで届くというヨーグルト飲料を夜に飲んだ。加えて、梅毒治療の抗生物質ビブラマイシンを夕食後に1錠、アレルギー皮疹を鎮めるためのアレロックを朝夕食後に1錠ずつ飲むという新習慣は意外にもすんなりと受け入れられた。

 

何が効いたかは分からないけど、特に体調の変化はなく、むしろ常に下し気味であった腸の調子がすこぶるよく、肌もキレイになったりと体調が良くなったように思えるくらいだった。

 

そうして2度目の受診日を迎えた。

予約時間よりもずいぶん早く到着したけど、早く診察もしてくれた。

さらに科の受付をしてくれた看護師さんからは会うなり顔を見て「アレルギーひいたみたいで良かったですね!」と声をかけてくれた。

とても柔軟で柔らかく親切なこの病院の診療科への信頼と印象がいつも上がる。

 

診察では体調に変わりがないことを伝えつつ、障がい者手帳と自立支援更生医療の申請と並行し、その適用開始を待たずに自己負担(保険適用3割自己負担)で抗HIV薬服薬の治療を開始したい旨を主治医に伝えた。

1日1錠を毎日飲むが1錠の薬価が約7,000円。自己負担は1日約2,000円。その期間はスムーズにこの後の手続きが済んでも2か月以上かかる。しかも途中でやめることはできない。という説明を改めて受けた。以前にも言われた内容なので分かってはいたものの経済的な不安に一瞬怯んだが、一刻も早く病気の進行を止めたかったし、自分の暮らす自治体の仕事に期待することにし、治療を開始することにした。

 

そのあと社会福祉士による公的な支援制度を受けるための制度や申請の仕組みなどの説明を受けるための面談をした。ここでは特に新たな情報はなかった。

 

次に、薬剤師による薬の説明のための面談となった。今回処方された薬はビクタルビ配合錠。サイズも以前に比べると小さくなり、副作用も減ったそうだ。
HIVウィルスに対してどのような働きをするのかについても詳しく説明してくれたので非常に分かりやすかった。薬についてはまた改めて別で記述したいと思う。
なおこの薬剤師との面談の中で、4週間前の自分のHIVウィルス量を流れで聞くことになった。37,700コピー/mlというものだった。何となく思ったよりも少ないという印象を持った。

 

最後に臨床心理士との面談で、ストレスチェックのようなテストも受け、現在の状況や今後心理的に影響を与えそうなことなどについてざっくばらんに話をした。

 

帰る前に採血をした。今回は3本くらいだったと思う。毎回結果を聞いて帰るものだと思ったのでちょっと残念だった。次回からは結果を聞けないか聞いてみようと思った。
ただし、1-2週間後に役所に申請するための診断書を受け取りにくるので、その時に2回分の採血結果は分かるので今日のところはこれで終了となった。

 

今回は院内処方となった。院内処方といっても30錠のボトルを1本渡されるだけである。服薬は毎朝飲むと決めたので、この翌日から飲むこととした。

 

なお今回のお会計は67,840円!

まぁ覚悟はしていたが・・・ カード払いにしたのでマイルが少したまった。

HIV陽性の友人 国を超えた支え合い

ペニシリンアレルギーによる皮疹は1週間ほどで落ち着いた。その後体調の変化はない。

CD4の下がったHIV陽性者であるということを忘れてしまいそうな日々を過ごした。仕事が忙しかったということもあるし、ハルトと仲良く過ごしているということもある。

 

さて、以前に少しだけ触れた 僕がHIV陽性との告知を保健所で伝えられたときにすんなりと受け入れられたことの大きな理由として、以前にある友人からエイズであることのカミングアウトをされたことがあり、さらに現在の治療のことや、U=Uについてのことなどもその友人から聞いていたことがある。

今回もその友人には真っ先に自分のことを伝えた。

 

彼は外国に住む外国人である。名前はリー君。

ゲイで僕と同じ歳。

知り合ったのはもう10年以上前。

仕事でその国に頻繁に行っていた時期があり、多い時は月に2回会っていた。

仕事で行かなくなってからも、旅行の経由地としてなどコロナ前までは毎年2〜3回は会っていた。家にも何度も泊めてもらったり、彼の彼氏や友人とも仲良くさせてもらっていた。

 

その国では仕事でもプライベートでも何度も助けてもらった。

彼の国のいろいろな場所を一緒に旅したり、日本でも何回か会った。沖縄で合流して一緒に旅行をしたり、実家に招いたりもしたことがある。

 

そんなリー君と最後に会ったのはちょうど3年前2019年のこの時期だった。彼の国に遊びに行っていて、一緒にご飯を食べたが、とにかくその日リー君は体調が悪く。胃腸の調子が良くないと言っていた。

でも日本から来た僕に合わせて何とか付き合ってくれていたと思うけど、さすがに早々に解散になった。また元気になったらあたらめて会おうと言い合って。

 

それから1ヶ月後、リー君からLINEが届いた。

「入院した。肺炎で。」と。

僕はてっきり胃腸の調子が悪いと言っていたから、「胃腸ではないんだ?」と返した。

しかも、彼は実家のある街に帰っているのだという。

「10日間ずっと病院。重症だ。」ともいう。

肺炎というのはそもそも重症なので普通に心配だなと思ったが、ここで僕はあまり考えもせずに

「抵抗力が下がってて、胃腸が悪くなったり、肺炎になったりしてたのかなー?」

と返したら、想定外の返事がきた。

「yes, HIVにかかった」と・・・。

 

そんなことを想定して返事をしたわけではなかったので、思いがけずカミングアウトをさせてしまうことになってしまった。

そこから色々な話を聞いた。つまり彼はHIVに感染していてすでにエイズを発症していた。それによって胃腸が悪く、疲れやすく、肺炎まで起こしていたということなのだそう。

 

心当たりがないわけではないけど、怖くて検査はしてこなかったのだという。

「ショックでしょ?」と言われた。

正直 ショックというか 身近に存在するなんてことを考えもしなかったので どう受け止めて良いのかも分からなかった。

ただ言えることは、リー君に二度と会えなくなってしまうんじゃないか?とそんなことが真っ先に頭に浮かんだ。

 

しかし、そこで彼から治療ができることなどを色々聞いた。

いま自分が同じ立場になったから分かるけど、そうやって人に説明することで、自分自身が理解というか納得して理解していっていたのかなと思う。

そして、その時リー君に支えてくれる人はいる?と聞いたら。

家族も恋人も支えてくれている。と。

 

そしてリー君の彼氏も元彼も知っているが みんなひとまず陰性だったとも言っていた。

今思えば、「だから感染はしにくいんだな」 と逆に安心してしまったのかもしれない。

 

で、それから何度かリー君は「日本に気晴らしに行きたい」とうちに来る計画を一緒にしていたけど、体調が戻らず延期を繰り返しているうちに コロナ禍になってしまった。

 

とはいえ時々近況報告をしあっていて、2020年の夏には もう元気に普通に暮らしていると言っていた。やはり肺炎が長引いたのは大変だったようだ。

 

そして月日が過ぎて今年、僕が彼にHIV陽性を伝えた。

彼は色々情報をくれたし、励ましてくれる。

日本よりも治療や制度は進んでいるようだ。

 

ちなみにリー君の感染が分かった当初のCD4は15だったそうだ。

だから僕が71と言ったら とても心配していた。

 

ただ彼は

15→35→100→150→250→350→450→600

といった具合にCD4が回復したとも教えてくれた。

飲んでいる薬がトリーメク(Triumeq)だとも、写真付きで教えてくれたり、

薬の副作用に悩まされた時期があったとも。。。

 

でもリー君の存在は今回の僕にはすごく大きかった。

 

国を超えて、仲良くすることも、支え合うこともできる。

と僕は思う。

突然の発疹 緊急受診

毎朝出勤前には湯船に浸かるようにしているのだが

ある朝 湯船に浸かってふと腕を見ると 1−2cm大の赤い皮疹が広がっている

ヒョウ柄のようになっているのだ

 

何だろうと思ったけど 痒くも痛くもないのでそのまま出勤をした。時期にしては随分と寒い日ではあったものに、その日は異常に寒く感じた。

仕事が早く終わる日だったのでハルトを迎えに行き一緒に夕飯の用意を買おうと思ったがこのとき徐々に悪寒が始まっていた。何とか家に帰ったが、ハルトにはちょっと横になりたいから と夕飯の準備を頼み ソファで横になった。

悪寒と関節の痛みと皮膚のヒリヒリする感覚。

ハルトが用意してくれた夕食は美味しく食べられたけど、その日は熱がないのに全身がヒリヒリし触ると熱くなっていた。この時には顔も体も腕も足も全身に皮疹が広がっていた。

 

夏に日に当たりすぎると同じような発疹がでることがあったので何かしらのアレルギー反応なのだろうとは思った。思い当たるのは。。。

梅毒治療で服用しているペニシリン系の抗生剤のアモキシシリンだ。

ペニシリンアレルギーの人はいるらしい。

ハルトと共に調べてみると、服薬後1〜2週間後に出ることが多いといい、自分の場合は12日目だったのでちょうどあてはまるし、見た目もそのものである。

どうしようか迷っていたが、ハルトに強く勧められ 翌朝出勤しつつ 病院に電話をするとすぐに診てくれるというので 事情(もちろんただの発疹とだけ言って。。。)を話して急きょ退社し、その足で車で病院へ向かった。

 

基本は予約制の感染症内科であるが、体調の変化などがある場合はすぐに電話して良いと言われていた。その通りスムーズに急な受診を受けてもらえて本当にありがたかった。

 

看護師さんも私を見るなり、「ずいぶん痛そうですねぇ」と声をかけてくださった。

 

先生は肌を見るなり「典型的な薬疹ですねー、でも梅毒の治療は続けたいので薬を変えましょう」と残りの期間はビブラマイシンを服薬することとなった。併せてアレロックを飲み、ステロイド(アンデベート)ヒルロイドを混ぜた塗り薬を服を着替える際に塗るように言われた。

 

アモキシシリンは2錠を1日3回内服するが、ビブラマイシンは1錠を1日2回だ。服薬は楽になった。

初めからこれで良いじゃないか?と思ったが

後で分かったことだけども 梅毒にはペニシリンの方がよく効くそうなので、第一選択なのだそう。ただしペニシリンアレルギーの人はビブラマイシンを選ぶというのはよくある処方なようだ。

 

効き目が弱くなったとはいえ、最初の2週間のペニシリンでたくさんやっつけてもらったと信じたい。

 

なおペニシリンアレルギーであるが、僕のように初めて服用する場合などは1ー2週間後に出現するそうだが、今後は服薬直後に出るようになるそうで、今後は絶対飲まないように 医療機関に伝えるように言われた。

ピロリ菌の除菌なども諦めた方が良いのだとか。。。

幸い今回は表面の皮膚にのみの皮疹であったが、口の中にまで出ている場合、食道に広がり呼吸困難になったり、最悪の場合は心臓に広がって心不全になることもあり、怖いことなのだそう。

この程度で収まってよかった。

とはいえ、皮疹が何とか目立たなくなるまでこの後1週間ほどかかったので、なりたくはないものである。

 

そういえば 2ー3年前に 明け方 喉がつっかえるような感じがして耳鼻咽喉科を受診すると、食堂に発疹が出ているのですぐに大病院を受診するように言われ、そこでステロイドの点滴をされたことがあった。

 

アレルギーはこわい。

とりあえず HIVに関わる話ではなかったことで一安心だ。

ハルトには随分と心配をかけてしまった。

 

なお、ハルトが背中に塗り薬を塗ってくれるというスキンシップが追加されたことが 今回の唯一嬉しいことだ。

迫り来るコロナ

免疫が低い状態なので 慎重に4週間を過ごそうと思っていた矢先

新型コロナの陽性者の濃厚接触者となってしまった。

静かに2人で ではあったものの会食だ。

 

念のために自宅待機を余儀なくされたけれど、幸い自分は検査の結果陰性であった。

結果的に1週間自宅で過ごせて ゆっくり静養できたのは良かったのかもしれないが もしもコロナ陽性になっていたと思うと 自分の体の状態を知っているだけに恐ろしい。

 

何をやっているんだか。。。 と自分の軽率な行動を少し反省。

 

毎朝 体調が良いことを確認するとホッと一安心する日々である。

 

以前 がんで終末期の人が 毎日朝が来ることが嬉しいと思う と言っていたのを見聞きしたことがあるが ほんの少しだけ その気持ちが分かるような気がする。

自分なんかどうってことなくて 世の中にはもっと壮絶な思いをしている人がたくさんいるのだろう。

免疫が低い人の新習慣

免疫が低い状態であることを知りながら なすすべのない4週間の過ごし方について あまり怪しげな民間療法を試すつもりはなかったけれど まぁ体に良いことをするに越したことはないだろうと思い次のことを意識するようにした。

 

・基本的に加熱したものを食べる

・お酒をなるべく飲まない(飲むときも度数の低いものを適量に)

ビオフェルミンを1日3回飲む

・腸まで届くヨーグルト飲料飲む

・夜 ゆっくり湯船に浸かって体を温める

・動物に触れない

・手洗い、マスクの徹底

・ストレスになることしない

 

これだけ。

 

なお気のせいなのかもそれないが この新習慣により小さな頃から悩まされていた慢性的な下痢が劇的に改善した。

腸内環境が免疫に大きく影響するというので これは良い傾向なのだろう。

 

もちろん 気休めなのだろうが健康的に過ごすことはできたと思う。

 

もちろん ハルトの理解と支えがあったからこそである。

4週間 何とか無事に乗り切りたい。

恋人への初回CD4値の報告

衝撃的なCD4値を知ったが

何となくハルトにはLINEなどで全く結果について触れずにいた

もともとその日の夕方に会う約束をしていたので 迎えにいった車の中で

CD4という値の意味を再度説明して

自分が71だったことを伝えた。

僕と同様 ハルトもすごくビックリしていた。

 

さすがに2人とも楽観的ではいられないという状況にはじめてなったような気がする。

 

その日、これからの過ごし方などを話し合った。

そして治療についても、自立支援制度適用を待たずに 自己負担が大きくても治療を開始するべきだとハルトから言われた。たしかに 今の自分の危険な状態からエイズ発症させずに脱することが最善策であるのは間違いない。

 

後日 近所のお姉様 京子さんにも同様の意見を言われた。

 

たしかに、イタい金額ではあるが払えない額ではない。そして1-2ヶ月程度のことなのならそうしようと思う。

 

一方で ここからの4週間は何もできない。

梅毒治療の薬は飲みながら とにかく体調を維持することである。

これまで コロナに対しても 僕は楽観的にとらえていたけれど、基礎疾患を持った人がコロナ感染を恐れるという気持ちが今はすごく分かる。

 

ひとまず 大好きだった魚の刺身などはしばらくやめておこうと思う。

 

それ以降 ハルトも僕以上に食事に気を使ってくれる。さりげない優しさに触れるたびに 涙が出そうになることが何度かある。

 

ある時ハルトが梅毒の薬を飲む僕を見て

「ワンチャンその薬が効いて HIVも減って 次病院行ったらCD4上がってたりせんかなー」

と口にしたことがある。

絶対ないことだと分かっているけど 全く同じことを僕も思ったことがあったので 思わず笑ってしまった。

 

笑うと免疫が上がるらしいので、このやりとりによって CD4は少し上がったに違いない。